液状化対策!充填・注入工法の種類
液状化のリスクを減らすために適切な工法で対策しよう
地震の際に注意しなければならないものの1つが、液状化です。液状化になると、様々な被害が生じるため事前に対策することが求められます。
こちらでは、液状化の基礎的な情報をお伝えした後に、充填・注入工法の種類と特徴について解説いたします。
液状化が乗じる条件と危険性
液状化現象の基本的な理解
液状化現象は、地震時に地盤が液体状になる現象です。この現象が発生すると、建物や構造物に深刻な被害をもたらす可能性があります。
液状化が生じる条件は以下のとおりです。
緩い砂地盤
この地盤は、川・海岸の付近や埋め立て地などに多いです。あまり地盤が硬くなく、土の粒子が0.5mmほどの地盤が該当します。
地下水
地下水位が浅いと、液状化が発生しやすいと考えられています。
地震
上記二つの条件を兼ね備えた地盤に地震が生じると、液状化が起きやすいといわれています。地震といってもある程度の強さが必要です。一般的には、震度5以上の地震が発生すれば液状化する可能性が高いといわれています。
液状化現象により、建物の不同沈下や傾斜、地中埋設物の浮き上がりなどの被害が生じる可能性があります。また、地表面に砂や水が噴出する「噴砂」現象も特徴的です。
液状化のリスクを正確に評価するためには、地盤調査が不可欠です。調査を通じて、地盤の状態を把握できれば適切な対策ができるでしょう。
液状化対策を検討する際は、建物の重要度や規模、地盤条件などを考慮し、適切な工法を選択する必要があります。事前の十分な調査と適切な対策により、液状化による被害を最小限に抑えることが可能です。
液状化が建築物や構造物に与える影響
液状化現象は、地震の揺れによって地盤が液体のような状態になることで、建築物や構造物に深刻な被害をもたらします。その影響は多岐にわたり、構造物の安全性や機能性を著しく損なう可能性があるため、事前に対策しておく必要があるでしょう。
主な影響としては以下のようなものが挙げられます。
不同沈下
建物の一部が他の部分よりも沈み込むことで、傾きや歪みが生じます。これにより、建物の構造的な安定性が損なわれ、最悪の場合は倒壊の危険性も高まります。
浮き上がり
地下タンクや埋設管などの軽量構造物が、液状化した地盤の浮力によって押し上げられることがあります。これにより、配管の破断や機能停止などの問題が発生します。
側方流動
液状化した地盤が横方向に流れ出すことがあります。これにより、建物の基礎が移動したり、道路や橋梁などのインフラ施設が損傷したりします。
地盤沈下
液状化によって地盤全体が沈下することで、建物の出入り口や排水設備などに段差が生じ、日常生活に支障をきたす可能性があります。
構造物の傾斜
建物全体が傾くことで、ドアや窓の開閉困難、設備機器の機能不全など、建物の使用性が著しく低下する可能性があります。
これらの影響は、建物の構造や地盤条件によって程度が異なりますが、いずれも深刻な被害をもたらす可能性があります。そのため、液状化のリスクが高い地域では、適切な対策を講じることが極めて重要です。
液状化対策を行うべき建築物や施設と事前調査の必要性
液状化対策を行うべき建築物や施設
液状化対策は、地盤条件や建物の重要度に応じて検討する必要があります。特に以下のような建築物や施設では、液状化対策を積極的に行うのがおすすめです。
戸建て住宅
一般的な戸建て住宅でも、液状化の可能性が高い地域では対策が必要です。特に以下の条件に当てはまる場合は注意しましょう。
- 埋立地や旧河川敷など、地盤が軟弱な場所に建つ住宅
- 地下水位が高い地域にある住宅
- 建物の重量が大きい住宅
集合住宅やマンション
多くの人が居住する集合住宅やマンションでは、液状化対策は特に重要です。建物の規模が大きいほど、液状化による被害も大きくなる可能性があります。
公共施設
学校、病院、役所など、災害時に重要な役割を果たす公共施設では、確実な液状化対策が求められます。これらの施設は災害時の避難所や救護所となることが多いため、建物の安全性確保は極めて重要です。
ライフライン関連施設
上下水道、電気、ガスなどのライフライン関連施設も液状化対策が必要です。これらの施設が被害を受けると広範囲に影響が及ぶため、十分な対策が求められます。
工場や倉庫
工場や倉庫などの施設も、液状化対策を検討すべき対象です。特に危険物を扱う施設では液状化による被害が二次災害につながる可能性があるため、慎重に対応しなければなりません。
液状化対策を行う際は、専門家による地盤調査を実施し、適切な工法を選択することが重要です。建物の用途や重要度、地盤条件などを総合的に判断し、効果的な対策を講じましょう。
事前調査の目的と意義
液状化対策における事前調査は、建築物や周辺環境の安全性を確保するために不可欠な過程です。その主な目的は以下の3点にまとめられます。
液状化リスクの評価
液状化リスクの評価では、地盤の特性や地下水位を詳細に調べることで、その土地の液状化の可能性を正確に把握します。これにより、必要な対策の規模や緊急性を判断できます。
適切な対策工法の選定
事前調査で得られたデータを基に、その土地に最も効果的な液状化対策工法を選べます。
コストと効果の最適化
事前調査によって不要な対策を省くことができ、効率的な投資が可能となります。例えば、液状化リスクが低いと判断された場合、大規模な地盤改良を避けることでコストを抑えられます。
このように、事前調査は単なる形式的な手続きではなく、建築物の長期的な安全性と経済性を両立させるための重要なプロセスです。適切な事前調査を行うことで、将来起こりうる被害を最小限に抑え、安心して暮らせる住環境を実現できます。
充填・注入工法の種類と特徴
液状化対策として広く用いられている充填・注入工法には、様々な種類があります。ここでは、代表的な工法とその特徴についてご紹介します。
薬液注入工法
地盤に薬液を注入して液状化リスクを軽減させる工法を指します。主な特徴は以下のとおりです。
- 狭小地でも施工可能
- 既存建物の直下にも適用できる
グラウト注入工法
グラウト(固結剤)を地盤に注入する方法です。特徴として以下が挙げられます。
- 比較的安価で施工が容易
- 強度増加が期待できる
深層混合処理工法
セメント系の固化材と砂地盤を撹拌・混合して地盤を固める工法です。以下のような特徴があります。
- 作業効率が良い
- 狭小地でも施工可能
置換工法
液状化しやすい土を良質材に置き換える方法です。以下のような特徴があります。
- 軟弱地盤が浅い範囲にある時に有効な工法
- 支持力の期待できる地盤になる
これらの工法は、地盤条件や施工条件、経済性などを総合的に考慮して選択します。
液状化対策工法別メリット・デメリット-置換工法
液状化対策には様々な工法がありますが、その1つに「置換工法」があります。これは、液状化しやすい地盤を、別の丈夫な材料で置き換える工法です。
置換工法のメリット・デメリット
メリット
- 工事が難しい場所でも可能:狭小地の地盤改良にも向いている
- 費用を抑えやすい:施工方法がシンプルで費用のコントロールがしやすい
- 液状化だけでなく地盤の不同沈下も抑制:地盤の強度を高めることで、地震時の不同沈下も防ぐ効果が期待できる
デメリット
- 施工期間:液状化のリスクがある地盤の範囲を正確に特定する必要があるため、計画地周辺調査も含めて調査期間を長く取る必要がある
- 施工範囲:良質な材料が大量に必要になるため、工事が広範囲に及ぶとコストが高くなる
置換工法が向いているケースと向いていないケース
向いているケース
- 土地が狭い、特殊
- 液状化のリスクが高い場所が浅い、ピンポイント
- 費用を抑えたい
向いていないケース
- 短期間で工事を終えたい
- 地盤改良が必要な範囲が広い
置換工法にも掘削置換工法や強制置換工法など、様々な工法があります。費用は、地盤の状態や工法、工事の規模によって大きく異なるため、まずは液状化対策のための地盤改良業者へご相談いただくことをおすすめします。
液状化の調査を行って異常があれば充填・注入工法を検討しよう
液状化が発生した場合、深刻な被害が出る可能性があるため注意しなければなりません。地盤を調査した結果、液状化のリスクが高いことが判明しましたら、適切な充填・注入工法で工事する必要があるでしょう。
液状化対策を検討なさっている方は、株式会社太心工業にご相談ください。地盤の調査・補強・対策・改良工事、沈下修正といったサービスを提供しております。ご自宅の地盤をお調べし、対策が必要だと判断できる場合は適切な工事をご提案いたしますのでお任せください。
液状化対策の工法なら株式会社太心工業へお問い合わせください
社名 | 株式会社太心工業 |
事業内容 | ・地盤補強工事 ・沈下修正工事 ー耐圧板工事 ーアンダーピニング工事 ー樹脂注入との併用工事 ーサイドピニング工事 ー空洞充填工事(セメント・ミルク注入) ー地盤補強工事 ・造成工事 ・一般土木工事 |
所在地 | 【本社】 〒815-0037 福岡県福岡市南区玉川町16-13 レイクス高宮103号 【熊本支店】 〒860-0826 熊本県熊本市南区平田1丁目14-19 |
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設立年月日 | 2021年5月25日 |
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